つぶやき
ご遺体の取り違え
川口市葬祭事業登録業者 永遠セレモニーの三牧です。
越谷の葬儀社が、ご遺体を取り違えて出棺してしまったというニュースがありました。
当事者のご遺族の皆様は、遺憾だったことと存じます。
絶対にあってはならないミスですが、想像するだけで恐ろしく、我々も身が引き締まる思いです。
越谷市は葬儀社に対して経緯の報告を求めているそうです。
なぜ取り違えが起きてしまったのか。
棺やご遺体の手首につけていた名札の確認を怠ったことが原因とされています。
その葬儀社がどのような管理下でご遺体を保管しているのかは分かりかねますが、こんな話を耳にしたことがあります。
個人で仕事をしている納棺師の方から聞いた話です。
大きい葬儀社さんに仕事をしに行くと、多数の棺が安置室にずらっと並べられている。
葬儀社の担当者の立ち合いはなく、安置室に一人で入り、対象の方にメイクや処置をして、帰るという流れだそう。
ある時その方はメイクをする方を間違えてしまったそうです。
その後担当者から連絡が入り、メイクをする方を間違えているから、メイクを落として、正しい方にやり直しをしてほしいと。
なぜそのような間違いが発生したのかまではわかりませんが、もしかしたら棺に貼ってある名札がそもそも間違えていたのかもしれない。
名前を間違えて納棺師さんに発注したのかもしれないし、名前が似ていて納棺師さんが間違えたのかもしれない。
冷蔵安置で、冷蔵庫の名札が間違えていたのかも。
わかりませんが、とにかく大人数を収容できる安置室ではそのようなことが起こるのは、不思議ではありません。
大きな葬儀社ですと、受け入れから出棺まで一人が担当するわけではなく、沢山の社員が動くのでしょうから、慎重に流れを運ばないとミスが起きます。
今回の場合は、双方とも火葬式(直葬)で、火葬前の面会がなかったために間違いに気付かなかったのでしょう。
理由があって、棺の窓を開けずに(ご拝顔せずに)お別れをしたのかと思います。
弊社は小規模の会社ですから、安置室にふたり重なるということはほとんどありません。
先日珍しく、安置室にお二人いる状況がありました。
棺の色も同じで、おふたりとも男性。11時にA様のご遺族が対面にきて、15時からB様のお通夜の設営。
そんな状況でしたので、相当慎重になりながら確認作業を行いました。
おふたりいるだけでこのような緊張感ですから、毎日たくさんの故人様をご安置・お見送りしている葬儀社は
ミスをしないためのシステムがあり、すでに対策をしているはずです。
ですが、残念ながら人為的ミスが起きてしまいました。
人間が亡くなり、人間を火葬する。
今のところはAIが管理できる話ではないので、人間が目視で確認するほかないと思います。