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仏壇や位牌は必要ですか?


ひとつ前の記事「お坊さんは必要なのか?」

に続いて、今回は「仏壇や位牌は必要か?」

をお話させていただこうと思います。

 

1300年以上前に、天武天皇が仏様をお祀りするための仏舎を作るよう命じ、

日本中に広まったのが仏壇のはじまりと言われています。

ですがその頃は貴族など階級が高い人々が主にお祀りしており、庶民に仏壇は縁のないものでした。

鎌倉時代になると、中国の儒教の祭具だったお位牌が禅僧達によって日本に持ち込まれまれました。

庶民が一般的に仏壇・位牌を各家庭に設置するようになったのは江戸時代以降です。

 

江戸時代 徳川幕府の政策で、キリスト教を弾圧するために檀家制度が設けられました。

仏教徒であることを証明するためにお寺の檀家になり、証明書を役所へ提出する義務がありました。

この制度の中で、仏壇を設置することも義務づけられたといいます。

 

では、仏教の開祖であるお釈迦様の見解はどうでしょう。

ご先祖様を供養するために、仏壇を置き、その中に位牌を祀りなさい、と仰っているのでしょうか?

実は、そのような経典はありません。

 

仏壇(位牌)は半ば強制、お釈迦様も説いていない。

このままだと「それじゃあ所詮形だけなんだからやめちまえ!」

と言われかねないのですがもう少しお付き合いください。

 

その「形だけ」が非常に大切なのです。

大切な人が亡くなって、行き場のない悲しみの心をどこに置いたらいいのか。

亡き人のそばにいたい、と思うはずです。

そんな時、お位牌、お仏壇が大きな力になってくれます。

 

何もなしの空間に、亡き人を感じ、繋がっている実感を持つことは難しい。

人という生き物は、目に見えるものを求めてしまいます。

目に見えるもので、目に見えないものをキャッチするための道具がそれらなのです。

 

普通に日常生活を送る中で必要あるものかと言われたら、必要ありません。

ですが、家族が仲良く暮らしていくために、ご先祖様がいてくれている感謝と安心を感じるための道具になってくれます。

 

江戸時代以前も仏壇のない先祖供養が確実に存在しました。

そして形あるもので実感を得、現在まで大切にされています。

世界中さまざまな供養の形がありますが、寛大で優しい心を持った日本人として、

これからもご先祖様に感謝して、その姿勢を次の世代にまで繋げていきましょう。

 

という、

仏壇と位牌買ってね!ではなく

ご先祖様に感謝しましょう、というお話でした。

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