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「迷惑な終活」読書感想

📖 読書感想

「迷惑な終活」を読んで

内館牧子 著 / 終活の”自分軸”を考える


本書の主人公は、定年を迎えた70代の男性・英太。長年連れ添った妻・幸子は終活に積極的で、エンディングノートの作成から墓じまい、生前整理まで着々と準備を進めています。一方の英太は「生きているうちから死後のことを考えたくない」と頑なに拒否。そんな夫婦のすれ違いを軸に、物語は展開していきます。

ところが英太は、ある出来事をきっかけに自分なりの”終活”を始めます。それは遺産の整理でも墓の手配でもなく、憧れだった高校の同級生に会いに行くというもの。周囲を巻き込みながらも自分らしく生きようとするその姿が、タイトルの「迷惑な終活」です。

生きているうちに死後のために整理をするのは縁起でもない——そう感じる方の気持ちは、よくわかります。日本には古くから言霊の考え方がありますし、私もそのひとりです。

ただ、「終活=すぐに死ぬ」とつなげてしまうのは、少々こじつけかとも感じます。備えあれば憂いなし。葬儀に携わる者として、元気なうちに備えておいてほしいというのが正直な気持ちです。


本書によれば、終活をする人の大半の理由は「家族に迷惑をかけたくないから」。本書が伝えたいのは、他人軸ではなく、自分軸の終活を大切にしよう、ということだと感じました。

他人軸の終活

  • 遺産の振り分け
  • 墓じまい
  • 生前整理

自分軸の終活

  • やり残したことにケリをつける
  • 会いたかった人に会う
  • 行きたい場所へ行く

自分軸の終活=「迷惑な終活」と表現されているのが、毒があって面白い。妻や相手方から「迷惑」とはっきり申される主人公が不憫と思いつつ、笑えます。

他人のための終活もほどほどに、ぜひ自分自身のために終活してみてください。エンディングノートを書いていると、好きなこと、思い出の場所、久しく会っていない同級生のこと……さまざまなことが頭をよぎります。これからしたいこと、きっとひとつやふたつ見つかるはずです。

著者の内館牧子さんは昨年末に亡くなられました。ご本人はどんな終活をされていたのか、少し気になるところです。

迷惑な終活

内館牧子 著

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